INTERVIEW

小林夕里子
ライフスタイルエッセイスト

SEPTEMBER 5, 2016

YURIKO KOBAYASHI

走ることと書くことはセット
体験を言葉にして旅は終わる

通称コバユリさんこと小林夕里子さんが、バイクと出会ったのは2002年のこと。「本田宗一郎物語」に感銘を受けて二輪免許を取得して以降バイク旅の虜になり、ものすごいスピードでその世界にのめり込んでいった。
「社会人になってからはすっかりインドア派だったので、まさかバイクの世界にこれほど惹かれるとは思いもよりませんでした。はじめは小型からはじめ、ツーリングが楽しくなってくると中型。父と兄も昔バイクに乗っていたので、そういう血をもっているのかもしれませんね」
 コバユリさんの凄いところは、その経験、体験を自分だけで完結させず、外に発信していける点にある。モンゴル、フランス、ブルガリアにロシア。自ら海外グループツーリング企画を立ち上げ集客し、旅行会社と共にツアーを開催。秋の大草原を旅するレディースモンゴルツーリングなどは多くのライダー達の間で話題となり、一気に業界の注目を浴びるようになる。また、表現力に優れたコバユリさんは、その自然体な活動をバイク雑誌など様々な媒体で執筆。自らの経験を旅行記やエッセイとして多くの人に伝えている。
「走ることと書くことは、私の人生のうえでセットとして考えています。体験を言葉にして世の中に放出できた時に、やっと一つの旅が終わったという感じがしますね」

日々の暮らしをアクティブに
ナチュラルに過ごせるように

バイクを通じた地道な活動が実を結び、また応援してくれる人々に支えられたコバユリさんは、バイク業界でオンリーワンの存在に。丁度その頃、20歳の頃から趣味で勉強していたアロマの資格を取得した。バイクとアロマ。真逆の方向にあると思われるものだが、コバユリさんのなかでは自然なことだったという。
「エンジンの香りも私にとってはアロマのようなものですが(笑)。アロマのナチュラルな世界を知ることは、本当の自然を嗜むのに欠かせません。バイクに乗って走っている時に、どこからか香る木々や花の香りを感じると、ふと自然と自分の境目が無くなる瞬間があるんです。特別な場所じゃなくて、いつもの道路を走っていても、どの瞬間もそんな冒険を味わうことができます。自分が心から楽しむこと、その準備ができていれば、冒険のスイッチは誰しもが自分で押せるはずです」
日々の暮らしをアクティブに、そしてナチュラルに。バイクの楽しさを執筆活動以外の方法でも伝えていきたいと、アウトドア×モーターサイクルを楽しむブランド「nomadica」をスタートするなど、新しい挑戦にも積極的。また、最近は朝食を見直し、パン食をやめ土鍋でおかゆを作ることも始めた。毎朝、一合のお米を1.2ℓのお水でコトコトと炊きあげていく。土鍋に火をいれてから炊き上がるまでの約40分は、コバユリさんにとって大切な自分時間だという。
バイクにアロマ、そして朝食。日々の暮らしを少しだけ豊かにしてくれるきっかけは、実は日常のいろいろなところに落ちているのかもしれない。バランス感覚抜群のコバユリさんを見ていると、本当にそう思わされる。

コバユリさんが企画し、2007年に初めて訪れたモンゴル大草原でのキャンプツーリング。この経験を通して、執筆という表現方法だけに留まらず、バイクとアウトドアの相性の良さを一人でも多くの人に伝えたいとの思いに至ったという。

「モーターサイクル×アウトドアをもっと楽しく、心地よく」をモットーに、現在も日本中をバイクで旅して回るコバユリさん。旅の相棒はBMW R80G/S。この他にも、HONDA XL230を所有。

旅の様子を自身のブログで発信することも多い。「FR100はバイクツーリングで景色を撮影するのにもぴったりですね。アングルも変えられるし、ハンドル操作の邪魔にもならない」

Photo by KAZUMA ITO
Editor KOKI NOGUCHI

小林夕里子
/ ライフスタイルエッセイスト

東京生まれ。2002年「本田宗一郎物語」に感銘をうけて二輪免許を取得。バイク旅の虜となり日本中を旅して周り、ライダーライターとして様々な媒体で執筆するように。2013年に肩書きを「ライフスタイルエッセイスト」に改め、“日々の暮らしをよりアクティブに、ナチュラルに”をテーマに雑誌やウェブに寄稿している。(公社)日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー、日本キャンプ協会認定キャンプインストラクター。