INTERVIEW

田中ケン
快適生活家

DECEMBER 6, 2016

KEN TANAKA

田中ケンさん、1964年東京都生まれ。快適生活研究家。ドアを開ければそこは、アウトドアの始まり。外に飛び出して、少年のように好奇心の赴くまま、目一杯カラダを動かして遊ぶのが、田中流のアウトドア。自然との調和を身体で感じ、その環境下、自分自身で決めて進む。チャレンジする、クリアする、失敗する、また挑戦する。より豊かで快適な生活を送るためのヒントは自然の中にある。

少しの勇気と自己の解放、決めないルールから学ぶ、
外遊びの新しい「カタチ」

大きな体に優しい目。直感で感じる独特のオリジナリティー。都会的とか土臭いとか、そのようなありがちなカテゴリに全くはまらない、田中ケンスタイルが確立していた。小学生の頃からサッカーに親しみ、高校の時には全国大会に出場。その後、ファッションモデルとして活躍。まさに華やかなシーンに身を置きながらも、常に刺激的な冒険を探し求めていたという。
30年以上前から、外遊びで自己解放する術や感覚を持ち合わせていた田中さん。25歳で父親になり、それを機にアウトドアと真正面から向き合い始めたと語る。向き合うと決めたらトコトン突き詰める、その決断は周りを驚かせ、共鳴させ、今後の人生の指標ともなるものだった。1992年、サバイバルレース「レイドゴロワーズ」日本チームとして初めての出場を決めたのだ。 レイドゴロワーズとは、1989年フランス人のジェラール・フュジーが、ニュージーランドで開催した、世界初のアドベンチャーレースである。山、川、海など、各地の自然をフィールドに、多種目なアウトドア競技をこなしながら、スタートからゴールまで、夜間行動もある3日以上の超長距離レース。田中さん含む男性4名女性1名で、オマーン開催の最も過酷なレースを初出場で枠外完走。その翌年には、1993年冒険型トライアスロン「ボーダートゥボーダー」に出場し完走。それらの評価は非常に高く、レイドゴロワーズでの実績やその姿勢や意気込み、湧き出る人柄を認められ、レースの日本開催のオーガナイザーの依頼されたという。


(下写真)1992年、世界三大究極のサバイバルレース「レイドゴロワーズ」に日本人チームとして初めて出場した。女性1名含む5名のチームで、1週間近く夜間もノンストップ、24時間常に地図とキャンパスだけを頼りに秘境の中を彷徨うというレースである。あえて困難な条件ばかりを揃えるというところが冒険好きのジェラール・フィジーのフランス人らしい発想である。この過酷なレースへの参加を皮切りに世界中の様々なレースへ積極的に参加する。後にこの参加が田中さんの本格的アウトドアライフのきっかけとなった。

当時はモデルと兼業しながら、この大役を務め、環境問題にも精力的に取り組む毎日。その時期から“快適生活研究家”という肩書きを名乗るようになる。日本の様々なアウトドアのプロフェッショナルを集約させ、数々のイベントオーガナイズを務め成功させるも、ある日ふと自分に問うたんですと田中さんは言う。
「結局、場所や物が他に存在している限り、それは自分の完璧なディレクションではない。
僕が思う自然との関わり方を、素直に伝えられるフィールドが必要なんだ」
そうした思いで、2008年自身のプロデュースのキャンプ場「outside BASE」を群馬県北軽井沢にオープンさせた。現在も日本各地で数々のイベントを手がけ飛び回りながら、自身のキャンプ場のフィールドを生かし、田中イズムをプロアマ問わず素直に伝承している。アウトドアを一番楽しむためのベストプランニングは、”決めないルール”であると、田中さんは語る。「例えば、ゲームばかりの子供に自然の中で新しい遊びを教えたいと親御さんが思った時、僕がアドバイズするならば、まずは親自身がそれを愛する心を持つことが何より大切だという事。24時間、自然と過ごす時間が有るならば、午前中の4時間は僕はこれをするよ。とだけ子供に伝え出掛けます。決めないルールの中、過ごす時間の中身を自分で決めることで、ソトアソビの新しいカタチがやっと見えて来るんですよ。」
優しい物腰で教えてくれるのは、冒険の指南書でない。心で掴む自分のカタチである。大きな手で、そっと背中を押してくれる感覚を肌で感じ、快適な生活とは何かが、少しわかった気がした。

(下写真)初代モデル発売時よりFRシリーズを愛用。川遊び、山遊び、そのシーンにおいても自然と共に生きているその勇敢で凛として優しい姿を映し出している。カメラとモニターが分離できるため、離れたところから撮影でき、ダイナミックな記録が出来て楽しいのだという。オンリーワンな使用方法も遊びの達人田中さんらしい。

東京で生まれ育ち、大自然と共存しながら生死をかけて、力比べをした。アーバンライフもネイチャーライフもどのシチュエーションでも、それぞれの遊び方をカタチ造ることを提案してくれる。子供もご老人も男も女も、周りにはたくさんの人が常に溢れている。

Photo by KAZUMA ITO
Editor RIE KOGA

田中ケン
/ 快適生活研究家

ファッションモデルを経て、快適生活研究家として、アウトドアイベントやキャンプ場のプロデュース、ボランティア活動「東海自然歩道清掃登山」の主宰などアウトドアを通じて様々な活動をしている。 群馬県北軽井沢のoutside BASEのオーナーでもある。
http://outsidebase.com